赤色○号、青色○号、黄色○号など、食品添加物や化粧品原材料に表示されているのを見たことはあるでしょうか?
これらはタール色素と呼ばれる合成着色料の一種です。
これらは色鮮やかに発色し、食品添加物としては、食品をより美味しく見せるために使われます。
均一に着色できることやコストが低いことから、食品、化粧品、医薬品など、食品添加物としても幅広く使われています。
その一方、タール色素の中にはこれまでに使用禁止になったものもあり、発がん性などが心配されています。
つい先日、ネットでとっても可愛いお菓子を見つけたのですが、原材料表示を見ると赤色○号、黄色○号…その表示を見て買うのを迷っているうちに売り切れしてまったのですが、その時ふと思いました。
そもそもどのように危険なのか?お菓子に使われている量はほんの微量ではあるだろうし、安全な摂取量などはあるのか?
調べてみましたので、参考になれば幸いです。
タール色素とは?
かつては石炭から生成される「コールタール」から得られるいくつかの芳香族化合物を原料として作られていたため、「タール色素」と命名されています。現在は石炭ではなく石油精製の際に得られる「ナフサ」を原料とした化成品から生産されており、コールタールを原料とすることはほとんどなくなっています。
1960年代、それまでに食品添加物として指定されていたタール色素に発がん性など健康に異常をきたすことが発見され、相次いで指定が取り消されました。
現在、日本の食品添加物として認可されているものは下記の12品目です。
赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号
黄色4号、黄色5号
緑色3号
青色1号、青色2号
(略して、赤2、赤102などと表示されている場合もあります)
海外では禁止されている!ADHDの原因に?
日本で認められているタール色素の中には、海外では禁止されていたり自主規制の対象となっているものもあり、まだまだ安全性に関しては少々不安を感じるところです。
赤色3号・・・甲状腺に異常を生じる可能性かあるとの理由から使用禁止(ドイツ)
赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号・・・子どもの注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状が増加する可能性があるとして各メーカーに自主規制を勧告(イギリス)
赤色2号、赤色102号、赤色106号・・・がんやアレルギーを引き起こす可能性があるとして使用禁止(アメリカ)
タール色素はやはり危険なのか?
WHO(世界保健機関)が定めたADI(一日摂取許容量)というものがあります。これは「人が、毎日、一生涯、食べ続けても、健康に悪影響が出ないと考えられる量」のことです。
厚生労働省の「マーケットバスケット方式による 保存料及び着色料の摂取量調査」(令和2年度)によると、各着色料の推定一日摂取量はいずれもADIを大きく下回っています。そのため、この結果では安全性上特段の問題はないとされています。ちなみに、着色料(タール色素)の中で一番摂取量が多いのは黄色4号でした。
天然色素であっても、これまでに発がん性などが指摘され使用禁止になったものもあります。天然だからといって安全というわけでもないようですが、それでも「食品添加物の危険度がわかる事典」(渡辺雄二著)によるとタール色素よりは天然色素の方が危険度が低いとされています。
海外で禁止になっている理由のような、健康に異常をきたす可能性も無視はできません。避けるのが無難のような気がします。
タール色素が使われている食品
海外のケーキのような派手なものであれば誰が見ても着色料が使われていると分かると思いますが、基本的にはタール色素を使われている食品であってもパッと見ただけではわからないことが多いです。気が付かずに摂取している人も多いのではないでしょうか。
・菓子類(チョコレート、ガム、ゼリー、飴、焼き菓子など)
・漬物(たくあん、紅しょうが、福神漬けなど)
・かき氷シロップ
・たらこ、明太子、いくら、数の子
例えば、たらこや明太子ですが、最近は着色料への悪いイメージもあり、逆に「着色料不使用」を売りにしているものもありますね。着色料不使用のものはやはり色は沈んで見えたりしますが、味は全然美味しいです。
同じ食品添加物でも、保存料については食中毒などを避けるために必要な場合もありますが、着色料は基本的に「見た目」だけのために使われている添加物です。
着色料が使われているものはとても鮮やかですが、そこに不自然さを感じることも大事かもしれません。
その他、医薬品や化粧品にも使われていることが多く、こちらも気をつけたいところです。タール色素が使われている化粧品の肌への影響は、シミなどがあります。
まとめ
・タール色素の原料は石油。「○色○号」などと表示される。
・日本で認可されている12品目のうち7品目が海外では禁止または規制されている。
・発がん性、ADHDの症状増加、甲状腺異常などの可能性。
・「見た目」のための食品添加物。意識的に避ければ摂取量は減らせる。
あとがき
「タール色素の危険性。ADHDの原因?発がん性も?」でした。
改めて、タール色素の危険性について知ることができました。完全に摂取しないのはなかなかむずがしいくらいに様々な食品に使われていますが、原材料表示をチェックすれば避けやすい食品添加物ではあります。
これからも原材料表示はしっかりチェックしながら選択していこうと思います。
この記事が日々の健康や食生活に役立つものになれば嬉しいです。